古物取引の相手方の確認義務について
古物営業をするにあたって、守らなければいけないルール
今回は、古物営業法第15条について解説したいと思います。
「取引相手方の確認義務」は、「帳簿等への記載」「不正品の申告義務」と並んで
古物営業の防犯三大義務と呼ばれています。
古物取引をする際は、相手方の確認が必要な場合と不要な場合がありますので注意が必要です。
古物営業法第15条には、古物の取引をするときの相手方の確認義務と、その確認義務が免除される場合が規定されています。
古物営業法第15条
(確認等及び申告)
第十五条 古物商は、古物を買い受け、若しくは交換し、又は売却若しくは交換の委託を受けようとするときは、相手方の真偽を確認するため、次の各号のいずれかに掲げる措置をとらなければならない。
一 相手方の住所、氏名、職業及び年齢を確認すること。
二 相手方からその住所、氏名、職業及び年齢が記載された文書(その者の署名のあるものに限る。)の交付を受けること。
三 相手方からその住所、氏名、職業及び年齢の電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつて認識することができない方法をいう。以下同じ。)による記録であつて、これらの情報についてその者による電子署名(電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子署名をいい、当該電子署名について同法第四条第一項又は第十五条第一項の認定を受けた者により同法第二条第二項に規定する証明がされるものに限る。)が行われているものの提供を受けること。
四 前三号に掲げるもののほか、これらに準ずる措置として国家公安委員会規則で定めるもの
2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、同項に規定する措置をとることを要しない。
一 対価の総額が国家公安委員会規則で定める金額未満である取引をする場合(特に前項に規定する措置をとる必要があるものとして国家公安委員会規則で定める古物に係る取引をする場合を除く。)
二 自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受ける場合
3 古物商は、古物を買い受け、若しくは交換し、又は売却若しくは交換の委託を受けようとする場合において、当該古物について不正品の疑いがあると認めるときは、直ちに、警察官にその旨を申告しなければならない。
e-Govポータル (https://www.e-gov.go.jp)より引用
上の、古物営業法第15条の中に出てきているオレンジマークの国家公安委員会規則については、
古物営業法施行規則第16条に規定されています。
古物営業法施行規則第16条
(確認等の義務を免除する古物等)
第十六条 法第十五条第二項第一号の国家公安委員会規則で定める金額は、一万円とする。
2 法第十五条第二項第一号の国家公安委員会規則で定める古物は、次の各号に該当する古物とする。
一 自動二輪車及び原動機付自転車(これらの部分品(ねじ、ボルト、ナット、コードその他の汎用性の部分品を除く。)を含む。)
二 専ら家庭用コンピュータゲームに用いられるプログラムを記録した物
三 光学的方法により音又は影像を記録した物
四 書籍
e-Govポータル (https://www.e-gov.go.jp)より引用
原則として、対価の総額が1万円未満の取引の場合は、相手方の確認義務は免除されます。
ただし、取引する物によっては免除されないことが規定されています。
次の表は、相手方の確認義務についてまとめた早見表になります。
古物の区分 | 買取りの場合 | 売却の場合 | ||
一万円以上 | 一万円未満 | 一万円以上 | 一万円未満 | |
家庭用ゲームソフト | ◯ | ◯ | × | × |
自動二輪車及び原動機付自転車 | ◯ | ◯ | × | × |
→ねじ、ボルト、ナット、コードその他の汎用性の部分品 | ◯ | × | × | × |
→上記以外の部分品 | ◯ | ◯ | × | × |
書籍 | ◯ | ◯ | × | × |
CD・DVD・ブルーレイディスク | ◯ | ◯ | × | × |
美術品類 | ◯ | × | × | × |
時計・宝飾品類 | ◯ | × | × | × |
自動車(部分品含む) | ◯ | × | × | × |
上記以外の古物 | ◯ | × | × | × |
・罰則が科せられる場合があります。
古物営業法第15条第1項に違反した場合、
6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金、その両方に科せられるおそれがあります。
このような罰則が科せられないよう、古物営業をしていくにあたっては古物営業法などの法令を確認することが大切になってきます。
その他の防犯三大義務
「不正品の申告義務」と「帳簿等への記載」についてはこちらから。
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